北野前監督の事

2019シーズンを振り返る、シリーズ第2弾。

今回は大木さんの後を継ぎ、約シーズンの半分の指揮をとった北野前監督について書こうと思います。


元々最下位の状態で途中から監督を引き継いだ北野監督には、降格の責任はそれほど無いと思っています。


ただ、フロントは補強を全力でやっていましたからね。

山岸と風間は抜けましたが、おそらく北野監督からの要望と思われる馬場や、塚川など実績のある選手も獲得したし、脳腫瘍から復活したベテランの横山選手を、おそらく選手としてよりも、アドバイザー的な意味で契約したのをみて、「やれる事は全部やる」というフロントの本気度が、ヒシヒシと伝わってきました。

それだけに最下位のまま、それも最終的にはぶっちぎりの最下位でシーズンが終わってしまった事には、やはりがっかりしたところはありました。


何が悪かったのでしょうか?

まず第一には、大木サッカーによって積み上げてきたものを北野監督が活かせなかった事に原因があるように思います。

北野監督は就任当初、大木監督のやってきたサッカーを認め、自分はそれに足りないものをプラスしていくだけというような発言をしていました。


最初こそ、そのようなサッカーを目指しているようでしたが、次第に大木さんが積み上げたものは影を潜め、北野監督が去年指揮をとっていた讃岐のような、守備に大きなウェイトをおいたチームになっていきました。

そのサッカーが悪いとまでは言いません。勝ち点1でも、しっかり取っていけるチームにしたかったのだと思います。

しかしその結果、岐阜は、勝ち点を拾えるチームになったというよりは、勝つ事が出来ないチームになってしまったという印象を僕は持ちました。

やはり、岐阜がそれまで積み上げたものを活かさなければ、年間を通してチーム作りをしている他のプロチームに打ち勝ち、順位を上げていく事は難しかったのではないでしょうか。

そうまでしてこだわった守備にしても、結果、思ったほど失点は減りませんでしたし、少なくとも、今年の岐阜にはマッチングしていない戦術に思えました。


あと、もう一つの理由を挙げるなら、勝負をかけるべき戦いで、勇気を持って攻める事が出来なかった事があるように思います。

1シーズンの中には、良くなるにしても、悪くなるにしても、あの試合が今シーズンのチームの分岐点だったといえるような試合があるものです。

今年のFC岐阜に関していうと、僕はそれは第31節に行われたホーム栃木戦だと思っていて、これは、その試合後に書いたブログになります。

https://wawa8.blogspot.com/2019/09/201931.html


このブログの中で、今後について危惧していた部分


『ただ、勝てる可能性のあったチームに対し、それを本気で狙う勇気を持てなかったという事実は、これから訪れるであろう本当の勝負どころでも、気持ちの面でどこかチームの足を引っ張るのではないかという気がしてきます。』


守るというのはあくまで戦術的な意味のはずなのに、この先の岐阜は気持ちの面でも守ってしまうというか、リスクを恐れ、勇気を持って攻める事の出来ないチームになってしまったように思うのです。

それが、山口戦や、鹿児島戦の終了間際の悲劇的失点にも繋がっていったのではないでしょうか。

最下位だったんですから。
勝利に対しチャレンジする気持ちがなくて、どう順位を上げていくんですか?


最後に一つ。北野監督は降格が決定したホーム最終戦後の記者会見で、

【自分が就任した時、岐阜はバラバラだった。そして、そのバラバラの状態を自分もまとめる事が出来なかった】

というような事をおっしゃっていましたが、それは結果が出なかったからそうなったんだと思います。

大木さんにしても、北野さんにしても、基本的にはバラバラだから負けたのではなく、勝てなかったからバラバラになってしまったという事ではないでしょうか。

5連勝でも6連勝でもしていけば、チームなんて勝手に雰囲気も良くなっていき、自然と一丸となっていくと思うのです。


そういう意味では、その事はあまり心配していません。

来シーズン、新しい岐阜が結果を出し続ける事で、チームは違ったものになっていくでしょう。


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