2020第5節ホーム熊本戦「永島悠史のゴール」

FC岐阜 1 - 0 ロアッソ熊本

ハイライト映像 https://youtu.be/QPu2wyXazN0


アツい日になりました。

大木さんが率いるロアッソ熊本との対戦には、多くのサポーターが、複雑気持ちを持っていたのではないでしょうか。


昨年の途中まで、岐阜は2年半にもわたって、大木監督と共に歩んできました。

中々思うような成績を残せなくとも、いつか大輪が咲く事を信じクラブも支えてきましたが、結局その花がひらく事はなく、最後はシーズン途中の解任という形で幕を閉じました。

フロントもギリギリまで監督を信じ、我慢に我慢を重ねた末での解任でしたので、サポーターも「さすがに仕方がない…」という感じで、反対意見はほとんど無かったように思いますが、同時にその人柄からか、結果を残せなかった大木さんをことさら悪く言う人もなく、むしろ今までの事に感謝する言葉の方が多かったような気がします。


翌年になって、その大木さんと、J3の舞台で、敵チームの監督として対戦するとは、その時は全く思いませんでしたね。

しかも、岐阜ではあれほど結果を出せなかったはずなのに、今年はこれまで全勝のチームを率い岐阜に乗り込み、あの頃と同じように苦しむ岐阜を、さらに叩こうというのです。

岐阜サポーターとしては、悔しいやら、情けないやら、寂しいやら、もやもやもやもやして、表現しづらい気持ちになります。

ただ、そんな混沌とした気持ちの中でも、ひとつだけギラリと輝くはっきりとした感情があるのに僕は気がつきました。それは、

「このゲーム、絶対に負けられない」

という思いです。

負けられないでしょう。
ここで負けたら、あまりに岐阜がみじめじゃないですか。


その負けられない試合。結果は、試合終了間際に永島が決勝ゴールを決めて見事勝利する事が出来ました。


最後まで走りきって、決勝ゴールを決めてくれた永島ですが、彼もまた、同じように大木さんに対し、色々な思いがあったと思います。

永島は、1年目に大木さんに力を認められ活躍したにも関わらず、2年目にはオーバートレーニング症候群になり試合に出れなくなり、そしてそれを何とか克服するという彼のサッカー人生でも非常に蜜な時間を、大木さんと一緒に過ごしています。


彼の大木さんへの具体的な思いは、はっきりとは分かりかねますが、この試合で「自分の成長をみせたい」という思いはとても強かっただろうというのは想像できます。

よく、サッカーでは、古巣チーム相手にゴールを決める事を「恩返し弾」と表現しますが、永島のゴールはそんな形式的なものでない、本物の「恩返し弾」のように僕には思えました。

大木さんは岐阜の監督だった頃、最後の1秒まで戦う事を強く求めていました。

最終盤の1番しんどい時間帯にゴールに向かって走り切った永島は、まさにそれを体現していたのではないでしょうか。

ナイスゴールでしたね。


しかし、勝利はしたものの、この試合を冷静にみると、決して褒められた内容ではないと思います。


守備をガチガチに固めてカウンターという戦術を悪くいうつもりはありませんが、ゼムノビッチ監督は、このサッカーを目指して練習を積み重ねてきたわけではないと思います。


勝つために最善をつくしたら、こうなった。裏を返せば、本来やりたいサッカーは、熊本相手に通用しない程度の完成度でしかないともいえるのでないでしょうか。


相手に合わせて戦術を柔軟に変えていく事自体は、悪い事ではないと思います。

ただ、それはチームの確固たる土台の上に成り立っている必要があると思います。

相手によってころころやり方を変える行き当たりばったりのチームが、優勝争いできるほど、甘いリーグとは思えませんからね。


ただ、1つの勝利がチームを大きく変える事もあると思いますし、大木熊本に勝った事は、それにあたいするような意味のある勝利だったとも思います。


次節を岐阜がどう戦うのか、大変興味深いですね。

次もホームです。楽しみにしましょう。


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